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2012年の春③ 救出
雨が降ると憂鬱になる梅雨だけれど、
外に出られない今のボクに、天気予報はあまり関係なくなってしまった。

とはいえ、雨が降る日には痛めた膝がなんだか痛い・・・。
おじいちゃんのように、体が雨に反応してるようだ。




今回の事故では、ほんとにいろんなことを学んだ。
少しずつ思い出してみたい。

強く感じたのは、
山の事故は、町の中の事故とは全く違うということだった。
単純な目印はなく、救助者と要救助者が同じ地図を描けていないのだ。
現実の救助というのは、本当に簡単にはいかないことを思い知った。



◆GPSの追尾と座標

電話の向こうではこれらの手がかりで現在地を探してくれていたのかもしれないが、
けっきょく、GPSで探知するからということになり、
GPS機能付きのケータイを持っている人がかけてくれということになった。
ボクのケータイはGPS機能がついていることを伝えたが、
信号が弱くて探知できないと言われた。
しかし、シゲさんのケータイもQチャンのケータイも、ここでは圏外であった。
見晴らしのいい尾根まで上がれば容易につながるのだが、
ボクらがいる場所ではまったく機能しなかった。
ボクのキャリアはAU、2人のキャリアはdocomo。
電話をかけたボクがつながったのは、たまたまの幸運だったのだ。

ボクもQちゃんも、たいてい山にはGPSを持って入っている。
ケータイのGPSが探知できないのなら、GPSの座標を知らせようと、
GPSに表示される現在地の座標を警察に伝えた。

しかし、返ってきた言葉は、
「そんな座標はありません。」

GPSに表示されていた座標は10進法で表されたもの。
それをボクは間違えて60進法で伝えようとしたため、
警察側にも混乱を招いてしまった。
警察側も、60を超える数値を伝えた時点で
10進法でボクが伝えていることに気がついてくれるかと思いそうだが、
やはり座標のやり取りというのも一般的なものではないのだ。
ボクも返ってきた言葉に慌ててしまい、
どうして伝わってないのか考えることができなかった。
せっかくの道具を生かす知識がなかったことは大きな反省である。


◆ヘリによる救助

消防からはヘリで救助に向かうことを告げられた。
幸い、この日は風もない晴天。
もちろん、ツアーにも最高の一日だったはずなので、
同行の二人にたいへん申し訳なく思う。

ヘリが現場に到着してくれるために詳しい現在地が必要なのだが、
前述の通りうまく場所が伝わらない。

しかし、電波の入るところまでQちゃんが移動して電話をかけてくれたらしく、
GPSの信号を受信してもらい、
やっとのことで現在地を特定してもらうことができたようだ。
電話の途中で防災ヘリがボクらの真上を何度も旋回し始めた。

DSC03831.jpg

ところが、これだけ視界がよく晴れた日なのに、少し林の中に入っているだけで、
なかなか見つけてもらうことはできなかった。
ボクら3人のウェアの特徴を聞かれ、
できるだけ見晴らしのいいところにいるよう求められた。

ここで一番目立つ真っ赤なウェアのシゲさんが、樹間が開けたところまで登り
ウェアを大きく振り回してヘリに向けて信号を送ってくれた。
ボクはぶつかった木のそばから動くことができずにいたけれど、
一人だったなら、何が何でも見つけてもらえる場所まで這い出ていくしかないのだ。

そして、ボクから50mほど上の斜面に、2人の隊員の方々が降りてこられた。
10:30A.M.





隊員さんがまず行ってくれたことはエア式の副木で足を固定することだった。
そのために、ボクのブーツを丁寧に脱がしてくれた。
ブーツを脱ぐことはヘリの到着前に仲間が試みてくれたのだが、
あまりの痛さにあきらめていた。
ありがたい。
ブーツは壊されずに残った。

そうして開放された足の外傷を確認してもらい応急処置。
怪我をした時点で外傷を確認することが大切なことだとわかっていたが、
自力で下山する可能性を考えると、
できるだけショックを受けたくなかったので患部を見ないようにしていた。
とりあえず、出血はないことはわかっていたので。
幸い、外傷はたいしたことない。

隊員さんの応急処置を受け、下山することとなった。
ヘリで吊り上げて搬送することのことだけれど、
林の中にいるため、できるだけ上部が開けた場所に移動する必要がある。
隊員さんたちが降りてきた50m上部まで引き上げようとしても、
体重80kg近いボクを上へ上げることはかなり難しいようだ。
そこで、横方向の開けた場所へトラバースさせることになった。

uvs-001.jpg

隊員さんの掛け声で、ボクのひざに刺激を与えないようにと30cmずつ。
吊り上げポイントは傾斜面なので、だれかが先にいって平らに均してくれていた。
たった1mを移動させるだけでもかなりの労力なのだ。
吊り上げポイントについたころは、
みんな汗だくの様子で本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
そんな中、シゲさんから隊員さんへ水の入ったボトルが渡され、
隊員さんも、これにはたいへん感激されていたことは
ヘリを降りるときの報告の中からうかがえた。
山での作業でのこういった心遣い。
優しいシゲさんならではの行為だが、
ボクも何も考えずにできるようになりたいと思った。

ボクを収容するために再びヘリが到着。
空中では、ときおりヘリの風で自分の体がクルクル回りながら、
少しずつ引き上げのために待ち受けてくれている隊員さんへと近づいていった。

uvs002.jpg

そうして、ヘリの到着から1時間あまり。
ボクは仲間と救助の方のおかげで山から抜け出すことができた。

2人で降りてこられた隊員さんは、どんなときも、
必ずどちらかはボクのそばにいて不安にならないようにしてくれていた。
ずっと励ましてくれていた仲間にも感謝の気持ちでいっぱいだった。

11:50A.M.


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